第18章 作戦
「そっか、災難だったね。」
『すみません…善法寺さん。』
学園に戻った彼らは真っ先に保健室に駆け込んだ。
幸い保健委員会委員長が保健室にいたためすぐに手当てができた。滝夜叉丸と三木ヱ門と喜八郎は先生たちに結果報告に行き、タカ丸と守一郎は残って彼の様子を見ていた。
「でも、さすがはタソガレドキ忍者のちょっとやそっとさんだね。」
『雑渡昆奈門ですって…。』
「あぁ、そっか。…話を戻してさすが雑渡昆奈門だ。遠距離からの射撃なのに肩の骨などには一切傷をつけていないなんて…」
と、傷を見て善法寺は関心していた。
彼とタカ丸と守一郎は、雑渡昆奈門が言っていたことを思い出した。
「じゃあ、これであとは安静にして入れば…」
と、善法寺さんが彼のそばから離れると誰かが廊下を走る音が聞こえてきた。その足音は、保健室の前で止まった。
「失礼します!!」
「若月先輩!怪我したって聞きました!!」
「だいじょーぶですか!?」
と、保健室にやってきたのは1年は組の良い子達だった。
は組の全員が集まったせいで保健室は一気に満員になった。
「君達!保健室では静かに!!」
「せんぱ~い!!」
と、善法寺の言葉を無視してしんべヱが彼に抱き着いてきた。
彼はそんなしんべヱをよしよしと撫でる。
「君達、一体どうしたの?」
「若月先輩が怪我をしたと聞いて、みんなでお見舞いに」
は組の学級委員長の黒木庄左エ門が代表して善法寺に言う。
そんな庄左エ門の言葉に善法寺もタカ丸と守一郎も安心したような表情をした。
「先輩、これ僕達で裏山から見つけてきたお花です!」
と、今度は喜三太が彼に花を差し出してきた。
それは白い綺麗な百合の花束だった。