第17章 秘密

「私達に話したいこととはなんだ。」


ようやく冷静になった滝夜叉丸が、雑渡に尋ねる。
雑渡は、諸泉に手当てをされている彼女をチラッと見てから4年生達を見る。


「…君達は、彼女の事をどこまで知っている。」

「…彼女のいた色小屋がタソガレドキの手に落ちて、アンタに殺しや忍術を学んだって聞いてる。」

「そうか、大方は話しているようだな。なら話が早い。」

「その前に、まずなぜ若月を撃った。事と次第によっては僕は全力でお前を殺す。」

「…それも、話すつもりだ。だからそんなに噛みつかないでくれないか？」


いつまでも警戒心を解かない喜八郎に言いながら、雑渡は話し始めた。


「私たちは今日彼女…由利和歌菜を殺すために来た。」

「…ッ!!」


雑渡の言葉に当然全員が武器を構える。
喜八郎に至っては、滝夜叉丸が止めないともう今にも攻撃をしそうな勢いだった。


「組頭、もっと詳細に言わないと…話が進みませんよ」

「ん？そうか、すまない。厳密には、我がタソガレドキ城主の命令で彼女を殺しに来たのだ。だが、殺さずに怪我だけ負ってもらうことにしたのだ」

「…どういうことだ。」

「私は、君達忍術学園の生徒に恩があってね。生徒を傷つけるのは本意ではないのだ。」


4年生達は、その言葉を聞いた瞬間・・・
あの不運委員会の顔が浮かんだ。