第14章 日常.3
ドクタケ忍者達に襲われてから数日後・・・
彼は本当に暗殺をしなくなった。
それどころか、率先して学園長に挨拶をしたり下級生達と一緒に学園長の部屋を掃除したりと全然違っていた。
そして、それは上級生達も同じだった。
「なぁ勘右衛門、今度の実習だが…」
「おい、見ろよ」
5年生の久々知と尾浜が庭を歩きながら雑談をしていると・・・若月が長屋の縁側に座りながら1年は組の3人と談笑していた。最近では、こんな光景も学園内でよく見られるようになった。
「あ!久々知兵助先輩と尾浜勘右衛門先輩!!」
『あ、お疲れ様です。』
「あ、あぁ…」
「みんなは何してるの?」
「何って、お話してるんです!先輩が美味しい和菓子を買ったから一緒に食べないかって誘ってくれて!!」
しんべヱがニコニコ笑いながら彼が持ってきた和菓子を頬張っている。『しんべヱ君、あんこついてるよ』と、彼はしんべヱの顔をムニムニ触りながら笑っている。
尾浜はそんな彼らを見てほほえましく思ったが、久々知は心底ドキドキしてしまっていた。
「ん?久々知先輩どうしたんですか?」
「えっ!?どうしたって?」
「お顔が赤いですよ?」
風邪ですか?と乱太郎やキリ丸に問い詰められた久々知はさらに顔を真っ赤にしてしまい、彼を見る。彼もキョトンとした顔をして久々知を見るものだから、久々知はいたたまれなくなってその場から逃げ出した。
「あっ!兵助!!あ、じゃあまたな!!」
と、尾浜は慌てて久々知を追いかけた。
残った彼と乱キリしんは、2人を見ながらこれまた首を傾げた。