第4章 突然の訪問者
そして、時は過ぎ
雄英高校を卒業してから10年。
「え?私が教師ですか?」
私は現在、ヒーロー名【クラウディア】として
福岡に事務所を構えるヒーローの元で
サイドキックとして働いている。
犯罪が比較的多い東京都市部で働くのを両親に反対され、地方のヒーロー事務所を数ヶ月契約で転々と。
いわゆる派遣型サイドキック。
個人で事務所を構え、チームアップとして地方を回るのも考えたが、やはり事務所に籍を置いてサイドキックとして働く方が各地域に密着できるし、何よりコネクションが作れて色々な情報も得やすい。
いずれは独立するとしてもコネクションは多ければ多いほど良い。
今の事務所には1年ほどお世話になっていて、そろそろ新たな契約先を探そうと思っていた矢先の電話であった。
『そうなのさ!プレゼント・マイクからの強い推薦があってね。君なら実績も申し分ないし、もし教育に興味があるのなら是非我が雄英高校で教鞭を取ってくれないか?とゆうお誘いさ!』
電話の向こうでは可愛らしい耳をぴょこぴょこ動かしている姿が想像できる。
そう、電話相手は雄英高校の根津校長だった。
「プレゼント・マイクの推薦……」
もう!ひざしくんったら!!
一言くらい連絡入れなさいよ!!!
心の中で校長へ推薦した人物に悪態をついた。
『今すぐ返事をくれとは言わないのさ!
考えてみてからでいいから返事をおくれ』
はあ、だか はい、だか曖昧に返事をして電話が切れた。
うーん。学校の先生か…
考えたこともなかったな。
「クラウディア、電話終わった?
4丁目のコンビニで強盗だって!」
「はい!出動します!」
とりあえず考えるのは後!!
今は仕事に集中しよう。
事務所の窓を開け、個性の雲を出し飛び乗る。
「いってきます!」