第37章 青い空と青い春
「消太くんはどう思う?」
「……俺は現代だろうが過去だろうが、自分の教育論の根本を曲げるつもりはないよ。」
白雲のようなヒーローを、そして白雲のようにならないヒーローを。
俺の中にあるのはそれだけだ。
決して口には出さないが霞もそれはわかっているはずだ。
「そうか……そうだよね、
主催側が模範解答と思えるレポートの内容とはならないかもしれないけど、やっぱり変えられない部分や変えたくない部分も書くべきなのかも……
その方が言いたい事が伝わるし……」
またブツブツと呟き始めて、ココアを一気に飲み干し再び机に向かい出した。
「消太くん!ありがとう!
なんか自分なりの良いレポートが書けそうな気がするよ!!」
「……そうか。
子供じゃないんだから倒れる前に睡眠とれよ…………ってすでに聞こえてないか。」
霞はすでにパソコンと向き合っていて、こちらの言葉は聞こえていないようだった。
俺を無視するなんていい度胸だ。
研修会を終えたら覚えてろよ。
声には出さず心の中で悪態をついた。
だが何事にも全力な霞の姿は、嫌いじゃない。
俺は邪魔をしないように静かにほくそ笑み、空になったマグカップを持って部屋を出た。