第37章 青い空と青い春
A組B組の対抗戦、翌日。
職員会議では対抗戦の映像が流された。
心操くんが参加した、第一セットと第五セットのものだ。
「じゃあ、これで決まりですね」
満場一致で心操くんのヒーロー科への編入が認められた。
……やった、良かった………!!
すべては心操くんの努力の結果。
早く伝えに行きたい!!
職員会議が終わるのが待ちきれず、
私の身体はわかりやすくウズウズしていた。
校長先生の長いお話しが始まる前に解散になって………!
その願いが届いたのか、校長先生が「では、解散」と声をかけた。
バッと素早く椅子から立ち上がって
消太くんの方を見た。
飽きれた、という顔をされたものの
想いは通じたようで“早く行け”と手をヒラヒラと振った。
うん!と大きく頷いてから会議室を後にした。
***
霞が嬉しそうに会議室を出て行くのを見送る。
会議中もソワソワと、わかりやすく落ち着きのなかった霞。
終わると同時に立ち上がって俺を見た。
それはもう、キラキラに輝いた瞳で。
本来なら心操の担任を通じて通知するべきだろうが、まぁいいだろう。
一番親身に気を配っていたのは霞だ。
ため息を吐きつつも、シッシッと手を振ると今にも雲で浮き上がりそうな勢いで会議室から出て行った。
思わず笑みが零れる。
「あンら~、随分と熱視線だこと。」
暑い、暑い。とミッドナイトさんが手で仰ぐ仕草をしている。
それを無視して俺も会議室を出た。
マイクも茶化しながらも付いてきた。
「心操って、昔のお前に似てるよな。
重ねちゃったか?相澤くん。
いや、どっちかというと霞か。」
「言いたいことがあんなら手短に言えよ。」
「べっつに~?ただの昔話。」