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partly cloudy 【ヒロアカ】

第32章 立ち込める暗雲






マイクが俺の方に向き直った。
真剣な眼差し、思わず目を逸らす。


「霞はオマエにとってのヒーローだ。
オマエが幸せにしなくたって、霞は勝手に幸せになるさ。」

「……確かに。
ちょっと想像できるわ。
ククッ、かっけーな、霞。」


思わず笑みが零れた。
霞が俺のヒーロー、すごくしっくりくる。
あいつ、俺のヒーローだったのかよ。
マイクも優しく微笑んでいた。


「だから正直になれよ、相澤。
霞が意識不明の重体って話を聞いた時、
真っ先に考えた事を思い出してみろよ。
それが、正直な気持ちってやつだからよ!」

「………。」






「そんじゃあ、オレ
泊まるとこ探してくるわ。」

「ああ………」

「オマエ、どうする?」

「俺は、いい。ここにいる。」




マイクが部屋から出て行き、霞と二人っきりになった。
静かな部屋の中で機械音のみが鳴り響く。
霞のすぐ隣の椅子に腰かけ、霞の顔にそっと触れた。

暖かい。生きている。


霞が重体だと聞いて最初に考えた事。

もちろん、まずは安否。
それと……いなくならないでくれ………
そばに居てくれ………

そんな事ばかり考えていたと思う。
正直になれよ、か……。



「生きててくれて、よかった………。」



霞の手を取って両手で包み込み、
額の前でギュッと握った。



「お前が大事すぎて、怖いよ……。」




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