第30章 シンプル
談話スペースでエリちゃんと他の先生たちとトランプを楽しんでいた時だった。
テレビのニュース速報が流れ、中継画面へと切り替わった。
テレビの画面に映っていたのは、ビルが倒壊し人々が逃げ惑う光景だった。
よく知っているはずのその場所がまるで別の所のようにみえた。
「ここって……霞の管轄だった地域じゃ……」
ひざしくんがテレビを見て驚愕している。
「アレって、脳無ですよね?
USJの時の……」
13号もテレビに釘付けだ。
《エンデヴァーとホークスが敵と交戦中です!》
リポーターからの声が鳴り響く。
オールマイトも焦りの見える表情でテレビを見つめていた。
私は、ハッと我に帰り
エリちゃんにテレビの画面が見えないように身体をずらした。
「エリちゃん、お部屋戻ろうか!」
「皆さん、エリちゃん頼む。
轟のところ行ってきます。」
消太くんと目が合い、お互いで頷き合う。
そのまま消太くんはA組の寮へと走って行った。