第27章 仲直りと夜の空
消太くんに想いを伝えた。
後悔はない。
「さみぃ、そろそろ帰るか。
プレゼント、ありがとね。」
「いいえ!」
私は来た時と同様に雲を出して、
消太くんと寮に戻る。
「今日はご馳走様でした!
よく考えたら誕生日の人に奢らせてるね、私!」
「もともと仲直りの会だからいいだろ。」
なんだ、その可愛い会合は……。
時々可愛いこと言うんだよな、消太くん。
「……今、失礼なこと考えたろ」
まさかまさか!と手と首を横に振る。
消太くんは律儀に部屋の前まで送ってくれた。
「明日の放課後は心操のトレーニングだから、付き添ってくれるか?」
「もちろんですよ!」
ニッと笑ってみせると、消太くんも優しい笑顔を返してくれた。
「じゃあ……おやすみ。」
「おやすみ!
遅くまでありがとう。」
けっきょく、私たちの関係は何も変わらなかったがこれで良かったのだと思う。
恋愛にかまけている時間はないのだ。
そう自分に言い聞かせてベッドに倒れ込んだ。