第27章 仲直りと夜の空
「お待たせ〜!」
昼間のうちに仕事を終わらせて
陽が落ちてから談話室に集合した私と消太くん。
私はニットセーターに控えめにスリットの入ったペンシルスカートを合わせ、フルメイクも済ませて気合い充分だ。
消太くんはいつものヒーロー服。
「……行くか。」
「うん!」
訪れたのは、行きつけの三猿。
雄英近くにあるこじんまりとした居酒屋さん。
「大将〜、いつものお願いします!」
「俺はビー「消太くんにはノンアルコールで!」
入るなり注文を済まし、
いつものように席に着いた。
朝、二日酔いで酷い顔をしていた消太くんはアルコール禁止だ。
「「乾杯」」
二人でカチンとジョッキを合わせた。
「良かったのか?
焼き肉とか寿司でもよかったんだぞ?」
「ここがいいの!好きなんだもん。
最近来れてなかったしね。」
私の仲直りの条件のお願いは
三猿に行きたい!だった。
もちろん、二人きりで。
ひざしくんの話、A組のみんなの話、心操くんの話、エリちゃんの話、最近ゆっくり話せていなかった事をたくさん話した。
パーティーで飲んだシャンパンや高級そうな料理と頂くワインもいいけど、私はやっぱりこうやって気軽に入れる居酒屋で大好きな人とゆっくり飲める方が私に合っていると思った。
たくさん飲み食いして、消太くんがお会計を済ませてくれて大将に挨拶をして店を出た。
「あ〜、お腹いっぱい。
ご馳走様でした。」
「いいえ。」
「もうちょっとだけ、お散歩に付き合ってくれない?」