第27章 仲直りと夜の空
「……どうしたの?その顔。」
「……二日酔い。」
「はぁ……、薬いる?」
とりあえずソファーに座ってもらい
呆れながら薬箱に手をかける。
自分用の小さい冷蔵庫から
ミネラルウォーターを取り出し
消太くんに手渡した。
何で気まずくて顔を合わせたくなかった人に世話焼いてんだろう、私……。
惚れた弱みってやつかな。
「薬もらいに来たの?
共有の救急箱にもあるでしょう?」
「いや……、謝りに……。」
消太くんは水をゴクゴク飲んでからボソボソと呟いた。
「昨日は……悪かった。」
「うん。傷付いた。」
「でも……幸せになってほしいのは本音だよ。
俺がお前をヒーローの世界に引っ張ってきちまったから……良い男みつけて、幸せになれるならそれが一番いいかと……思ったんだ。」
消太くんは手元のミネラルウォーターを見つめたまま、呟く。
表情は髪の毛で見えない。