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partly cloudy 【ヒロアカ】

第1章 屋上と横顔 






今日の実技演習。
まったく何もできなかった。

個性の雲は移動手段としてしか使えないし。
まだそこまで大きいものは出せない。
小さいものなら数出せるけど…

私の場合、戦闘向きの個性ではないから
どうしても近接戦闘になると弱い。




午前中の反省会を軽く脳内でしながら
同じクラスの子たちとお弁当を食べようと机の上にお弁当を広げる。



あれ?これお兄ちゃんのだ。
珍しく忘れていかなかったと思ったら
間違えて持っていったのか…
気付かなかった私も私だけど。


仕方ない…


「ごめん、お兄ちゃんのお弁当と間違えて持ってきちゃったみたい。届けてくるね、先に食べてて」



また屋上かなぁ。
2年生の教室へは行かず真っ直ぐ屋上へ向かった。


屋上のドアには鍵がかかっているため
3階の窓から雲を出しジャンプして屋上に降り立つ。


今日は話し声がしないなぁ。
やっぱり教室だったかな。


すーーっと風が抜ける。
静かで気持ちいいなぁ、
フェンスに手をかけ空を見上げる。



「白雲なら、妹さん探しに行ったよ」



後ろから声がしてバッと振り返ると
本に目線をやったまま猫背で座り込んでいる消太くんがいた。


「びっくりした〜、
静かだったから誰もいないかと思いました。」


お兄ちゃんとはすれ違いになっちゃったか。


「あいつら居ないと静かで読書が捗る」


「すみません、
読書の邪魔しちゃいました?」


「いや、ちょうどやめようと思ってたところ」


消太くんがパタンと本を閉じた。


あんまり話すの好きじゃないっぽいよね。
静かにしてた方がいいかな。
話しかけても良いものか・・と考えを巡らせていた。



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