第24章 文化祭
「パーティーの件、聞いたかい?」
「あ、はい。連絡もらって。
校長に許可は取ってある、と言われたのですが……。」
「実はね、うちと専属契約を交わしているサポート会社の最大手、白雲くんも知ってるよね?」
サポート会社の最大手、ウマアイコーポレーション。
コスチュームの製作改良からサポートアイテムまで幅広く取り扱っている会社。
まだ歴史の浅い会社だが、ここ数年でメキメキと頭角を現し最大手までのし上がってきた。
雄英高校のサポート科は大体の子がその最大手の会社への就職を目指している。
「そこの敏腕若手社長が文化祭を見に来た際に、パトロール中の君を見つけてお話ししてみたくなったらしいのさ!
それで早速、校長である私の所に話がきて、スポンサーをしている雑誌のパーティーに君を呼ぶように手を回した……ということさ。」
「……なるほど。
えーっと、それって拒否権は……?」
「………………。」
「ないって事ですか……。」
「すまないね……。」
校長は申し訳なさそうに下を向いた。
耳が心無しかシュンと下がっているように見える。
「校長先生、謝らないで下さい……こちらこそ、いらぬ心労を増やして申し訳ありません。
文化祭を開催することができたのは校長が頑張って下さったおかげです。
私も、他の先生も、校長をとても尊敬してます。
ありがとうございました。
何のお話かは存じませんが、自分で何とかしてみます。」
「大した事はしていないよ。
文化祭を無事に終えられたのは、生徒たちの頑張りと君たち教師が懸命に警護にあたってくれたおかげなのさ。
厄介ごとを持ち込んでしまったね…、よろしく頼むよ。」
引き留めて悪かったね、ゆっくり休んでおくれ!と言い残し、チョコチョコと可愛らしく歩き自室へと戻って行った。