第20章 手探り
何でも、店に出勤する前にマグネの仲間という男がノリちゃんの元を訪ねてきてマグネは死んだと聞かされたらしい。
とても信じられないと突っぱねたらしく、ノリちゃんがマグネに連絡を取ろうとしたが電話が繋がることは無かった……。
危ない道に進んでいるのを知っていたノリちゃんは自分を責めているとのことだった。
「ママ、話してくれてありがとう。
警察に話してないのはノリちゃんのためですよね?」
「……そうね。
まだアレコレ話を聞かれるの辛いでしょうから…。」
「ママみたいな人が居てくれれば、きっと大丈夫です。
私も……そうでしたから。」
ママにもう一度お礼を言って
ファットと再び歩き出す。
すっかり夜も更けて人の数も増えている。
賑やかな街。
今日は遅いのでホテルに一泊してから帰るつもりだ。
ファットはホテルの前まで送ってくれた。
「ファット、今日は本当にありがとう。」
「さっき言ってた、クラウディアにとってのママみたいな人って誰なん?」
「んー……素敵な先生……かな?」
なんやそれ!とファットが怪訝な顔をした。
んふふっ!と笑顔を返した。
「切島くんと天喰くんのインターン。
改めてよろしくお願いします!」
「おう、任せとき!」