第18章 いざ、仮免許試験
発表された合格者がモニターに映し出され、
A組は爆豪くん、轟くん以外は全員合格した。
二人も特別講習を受け、個別テストで結果を出せば
仮免許を発行してもらえるらしい。
他の生徒たちが仮免許証を発行してもらっている間、
私、消太くん、爆豪くん、轟くんは外で待っていた。
「お前ら、今日の反省を次に活かせ。
普段から協調性のないところ、見抜かれたんだ。
いつまでも個を先行してても成長しないぞ。」
轟くんは小さい声で「ハイ。」と返事をし
爆豪くんは怖い顔で「ケッ」と舌打ちした。
「でも、轟くんは氷と炎の同時発動できてたね~!
爆豪くんだって状況判断が適切だったよ。お肉になってたけど。」
「うるせぇ!!」と怒鳴られる。
私は今日一日、消太くんに怒られてばっかりいたので
爆豪くんに怒られてもちっとも怖くない。
「ほらほら、そうゆうところよ~?」
爆豪くんをツンツンと突く。
いつもなら爆発させようとするところを
消太くんに個性を消される。という流れだが
今日はグッと耐え、クソッと呟いただけで終わった。
いつもの爆豪くんらしくない。
仮免、落ちたのがやっぱりショックなのだろう。
「よし、私が元気の出るお言葉を一つ。」
消太くんと轟くんが私に注目する。
爆豪くんは聞こうとしないが、ちゃっかり聞き耳を立てている。
「ここだけの話。
相澤先生も仮免試験一回落ちてます!!!!」
へえ。と轟くん。だせぇ。と爆豪くん。
二人とも消太くんを注視している。
爆豪くん……
だせぇ、は自分にも降りかかってきてるよ……
「……まあ、そんな事もあった。」
誰とも目を合わせずに消太くんが答えた。
恥ずかしそうだ。
ちなみにお兄ちゃんとひざしくんも一度落ちている。
理由は遅刻、3人で話してたら電車を乗り間違えたらしい。
私は自信満々に胸を張って続けた。
「それでもこうしてかっこいいヒーローになっているでしょう?
だから君たちも大丈夫。」
二人の肩をポンと叩く。
轟くんは優しく微笑んでくれて、爆豪くんは再びケッと舌打ちした。
その後、仮免許証を発行してもらって
集合場所に集まってきたA組のみんなにお疲れ様と声をかけた。
他校の生徒とも少しの時間交流して、
バスに乗るように促し、帰路に着く。