第16章 交差する感情
「……それにしても霞ちゃん、鈍感すぎない?
ちょっと心配になるわよ、私。」
「……でも全然そんな素振りなかったんですよ?
九州にいた頃も何回かご飯行ってたけど、まったく。
歳も離れてるし、そうゆう風に考えた事なかったです……。」
「何とも思ってない人をそう何度も食事になんて誘わないでしょうに。
彼氏とか恋愛とかまさかした事ないってことないでしょう?
今までどうしてたのー?」
「まあ、それなりに……。
付き合おうって言われたら付き合って、別れようって言われたら別れて……って感じで。
最近はもうめんどくさくて、恋愛そのものを避けていたし……雄英きてからは……その、消太くんいるから……。」
ゴニョゴニョと何だか言い訳をしている気分だ。
ミッドナイトは呆れたという顔をしている。
「つまりホークスくんの入る隙はないってことね。」
「まあ、そう……なりますかね。
私が好きなのは、消太くんだから。」
「相澤くんもね〜、アレだからなぁ。
まったく焦ったいわよね、アナタ達。
霞ちゃんから告白しちゃえばいいじゃない。」
「消太くんは私の事、妹としか思ってないですよ。」
ほらね、やっぱり鈍感。
ミッドナイトは溜め息をついて再び呆れたという顔をした。
とにかく、ホークスに今度会った時にキチンとお断りしないと。
でも好きとか言われたわけでもないから、お断りしますって言うのもどうなの?
ただキスしたかっただけでしたー!とか。
グルグルと堂々巡りだ。
考えるのをやめてランチラッシュの美味しいカレーを堪能することに集中した。