第15章 取り戻せ、日常
「ヘイ!ティーチャーズ!!!お揃いで!
飲みに行くなら一声かけろよ、ウォーターが臭い!!」
「帰れ。」
私が電話に出てから5分もしないうちに
もう一人の兄貴分、ひざしくんが合流した。
消太くんは隣で「電話に出るな、無視しろ」と呟いていたが、無視して飲みに来ていると伝えた。
ひざしくんは流れるように注文を済ますと
オールマイトの隣に腰掛けた。
「ヘイ、ショーちゃん!
酒飲まないんじゃなかったのかYO!」
「うるさい。帰れ。」
シヴィーーーー!!ひざしくんが叫び、
オールマイトはびっくりしている。
その後、たまたま飲みに来たミッドナイトと13号が合流し、
その二人の酔いが深まったころにブラド先生、エクトプラズム先生、ハウンドドッグ先生、セメントス先生が合流した。
いつの間にか宴会状態だ。
消太くん、ひざしくん、ミッドナイト以外の先生とこうして飲んだことがなかったので普段見られない一面が見れてとても楽しい。
オールマイトは酔っ払いたちの相手で忙しそうだ。
こうして、また日常を取り戻せて本当に良かった。
すべてはオールマイトのおかげ。
その英雄をしどろもどろにさせている
私の同僚の先生方はやっぱり大物だな。
ニコニコしながら見守っていると携帯電話が鳴った。
電話ではなくメールだった。
少し失礼して内容を確認して、
唯一、シラフで正気を保っていたオールマイトに声を掛けた。
「オールマイト、すみません。
ちょっと用事かできてしまいました。
お先に抜けます!」
これ、お代です。とお金を出すと
「あ、いいよ!今日は奢るって言ったじゃないか。
送らなくて平気かい?」
「すみません、ご馳走様です。
個性でひとっ飛びなので大丈夫です。
また、飲みましょう!」
ああ!気を付けてね!とオールマイトに見送られ店を後にした。
この後、オールマイトが酔っ払いたちの後処理に追われ、私に助けを求めたらしいが私が気付くことはなかった。