第12章 いざ合宿
お風呂場へ向かう途中、
目を覚まして部屋に戻ろうとしていた洸太くんと鉢合わせた。
「洸太くん。
びっくりしたでしょう?
どこも痛めなかった?
ごめんね、うちの生徒が……。」
洸太くんと目線を合わせてしゃがみ込み、ペコリと頭を下げた。
「……別に。」
「あ、そうだ。
冷蔵庫にね、プリンあるよ。
よかったら後で食べてね!」
「……いらない。」
プイッと顔を逸らして目を合わせてくれない。
「そっか……。
じゃあ、私が二つ食べちゃお〜!」
「あ……っ、やっぱ食べる。」
本当は食べたかったようだ。
こうゆう子供らしい部分が見られて少し嬉しい。
ニコッと笑いかける。
あのさ……と洸太くんが話し出す。
「マンダレイから……
アンタの家族も死んだって聞いたんだ。
なのになんでヒーローなんかやってんの?」
「……。」
マンダレイはきっと同じ境遇の人がいるんだよって事を教えたかったのかな。
私にも前に洸太くんの事を教えてくれた。
どう接していいのかわからない、とも言っていた。