第10章 導く人
「霞先生~!こっちこっち~!」
私はお昼休みに食堂に来ていた。
ランチラッシュの学食は学生優先だが、
お弁当持参で学食に行くのは問題ない。
今日はA組の子たちとお昼を食べる約束をしていた。
「先生、お弁当なのね。
とても美味しそうだわ!」
くりくりお目目の蛙吹さんが
人差し指を口に当てながら褒めてくれた。
「良かったら好きなのつまんで食べて~!
たくさん食べるから多めに作ってるの。」
一緒に食べているのは
蛙吹さんとボブカットの麗日さん、
ピンク色の髪とピンク色のボディの芦戸さん、
透明人間の葉隠さんだ。
「わーいっ!卵焼き欲しい!」
「私は金平ゴボウがいいわ!」
「私、これ!」
みんなそれぞれ私のお弁当から好きなものを取った。
私はそれをニコニコして見守る。
こうやって可愛い生徒たちとゆっくりランチも楽しい。
「それでね、先生。
職場体験の話なんだけどさ~!」
みんなご飯を食べ終わって食器は片付けてある。
机の上にはみんながそれぞれ買ってきたジュースが並んでいる。
私は持参したお茶。
「相澤先生が霞先生は
ヒーロー事務所についていろいろ詳しいから
相談に乗ってもらえって言ってたんだよね~。」
「だから職場体験先迷ってる人たちで
先生に相談しようと思ってたんだよ~!」
芦戸さんと葉隠さんが言った。
「なるほどね~。
それじゃあ、まずはどちらの方向性にするか選んでみよう!
災害救助と対敵犯罪。
職場体験先の一覧持ってきてる?
わかりやすくマーキングすると~~、こんな感じ。」
私は芦戸さんたちの一覧表にペンで色分けした。
麗日さんのは指名の一覧なのでまた別に色分け。
「私は災害救助かしら。
主に水難の方が得意分野だけれど・・」
蛙吹さんが芦戸さんの一覧表を見ながら言った。
「水難救助関係なら、
おのずと限られてくるね!」
私はさらに蛙吹さんの一覧表に水難救助特化の事務所に丸を付けた。
こことここの事務所は私もチームアップしたことがあって~・・とアドバイスも加える。