第1章 💙💛 塩キャラメル
初めて見たのは、願書を提出しに高校を訪れた時だった。
俺の中学からは俺しか受けない高校だったから、
一人で高校の門をくぐって、ホールに向かったんだ。
ホールに入ったら、椅子が等間隔にいっぱい並んでて、
進み次第、一列ずつ前にずれていく感じ。
隣に座ったのが、そう、ニノだった。
茶色い瞳と綺麗な横顔が印象的な色白の少年を見て、
一瞬時が止まったような気がした。
イケメンという言葉で表していいのかと思ってしまうような、
何というか「綺麗」という言葉が似合う男子だった。
俺はあんまり長く見ているとは思ってなかったけれど、
だいぶ目が釘付けになっていたんだろう、
その少年が、怪訝そうにこっちを見る。
目があった。
俺がニノをいつ好きになったのか。
思い返して遡ると、ここに着地する。
俺は多分この時一目惚れした。
あっ…と慌てて目を逸らしたけど、
心を鷲掴みにされたような気持ち。
俺は高揚した気分で願書を提出した。