第3章 白い道
「…だから、あんまり俺たちがそう言う、、、珀鉛病を連想させるようなこととか、言わないように、気を使ってやらないかって話なんだが、、」
ペンギンは、この数日間、ずっと考えていた。
ローが船に乗せると言った彼女。
珀鉛病だとローから聞いた時、彼の目は何かを決意したような、そんな目で、ものすごい熱量を感じた。
彼の中にその病への消えることのない記憶があるのは知っている。
だからこそ、彼の中での決意の重さを悟った。
ローはカラをかなり気にかけている。
自分の経験を重ねているのだろうか、俺達にはわからない、2人にしか理解し合えないような感情があるのだろうか、
真意は定かではなくとも、ローの中で何かが動き始めたのは確かだ。
ペンギンはこの船最強でありながら、最も脆く、壊れやすい心を持つ彼女と我がキャプテンの心を案じ、ローの言いつけ通り、2人へ向き直った。
「それと、これから不自然にキャプテンとカラが居ないこととか、そういうことも気にした素振りを見せないようにしないか?
多分、治療とか色々やることあるだろうし、、、」
顔を上げると、真っ直ぐに目を見る2人の顔が目に入る。
「うん、そうだね。気をつけよう。」
「あぁ。」
ペンギンはその返答を聞いてそっと胸を撫で下ろした。