第3章 白い道
「よかった〜」
『お疲れ様、ベポ。』
「いや〜、凄かったな〜、リヴァースマウンテン。」
「本当に船で山登るんだもんな〜。俺しばらくは何があっても驚かない気がする。」
難関を切り抜けた船は、それぞれ胸を撫で下ろしていた。
「…カラ、さっきのは俺たちだけでは危なかった。…礼を言う。」
ローは淡々と、私にそう告げた。
『いいえ…私もこんなところで死ぬ訳にはいかないから、、、』
「…それもそうだな。」
「…なぁなぁペンギン、今聞いたか?」
「…俺もちょっと思ってた。」
「え?何何?」
「は!?ベポお前気づかなかったのか!」
「あのキャプテンが素直に礼言ったんだぞ!?」
「!本当だ!!」
「キャプテンさ、ずーっとカラのこと警戒してただろ?」
「うん。」
「だから、多分船長もカラのこと少しづつ信用し始めてるってことだよな、多分。」
「あぁ!そう言うことなら俺嬉しいな!カラはいい奴だし、キャプテンとも仲良くして欲しいし。」
「…お前はノワール島からカラに懐いてたもんな〜。」
「うん!俺の中ではカラはもう仲間なんだ!」
「…いつか、カラの珀鉛病が治ったら、アイツ、どうするんだろうな、、、」
「そればっかりはわかんねぇよ。」
双子岬に船をつけ、岩陰で話す2人と1匹。
見聞色の覇気のお陰で丸聞こえだ。
(盗み聞きしてごめんね。)
ローから少しは信用されるようになったのは嬉しい。
やっぱり、一緒に船に乗る者としては信頼関係は大切だと思う。
それと、、、
治った後、か。
あんまり考えてなかったなぁ。
まだ治療も初めてないし、2、3日で治るものでもないって言ってたから、これからボチボチ考えていけばいいか。
私は一旦考えるのをやめて、目の前の船長とグランドラインの航海についての会話を再開した。