第2章 白い光
船はちゃんとリヴァースマウンテンの真ん中を通って、山を登り始めた。
「おぉ!!!」
「やった!やったね!カラ!」
『うん!よかったー本当に。刀ないからいざって時どうしようかと思ってた。』
「刀?なんで?」
『いや、もしちょっとぶつかりそうだったら一か八かでレッドラインを少し削ろうとしてたから…』
「…レッドライン削るって…」
『…ねぇ、ロー。心臓持ってていいから刀だけ返してくれない?』
「…あぁ。」
と、何もないところから急に私の刀が現れ、ローの手中に収まった。
『…は?』
え、なに?今の。
テレポート?
「…おい、いらねぇのか?」
『あ、いや、いる。いるけど…え?』
オペオペの実…本当に訳わからん。
改造だけじゃないのか?
『…オペオペの実って最強じゃない?』
「うわぁー!カラ!てっぺんだ!」
私の声はベポの声で掻き消された。
「うぉっ!下りの角度やばくねぇか!?」
「振り落とされるぞ!掴まれ〜!!!」
そのまま船の喧騒は大きくなり、興奮にも似た声がそれぞれから漏れた。
みんな船にしがみついて下りの衝撃に備える。
『…あ、』
太陽がちょうど、正面に見える。
真っ白な光が海に反射して、道のよう。
私はグランドラインの海を強い瞳で見つめているローを見た。
ローと会って、私の真っ暗な人生に希望という光が差した。
諦めていた夢を追いかけられるようになった。
ずっと掴みたくて、見つけたくて、だけど失望したくなくて、失うのが怖くて、目を背けてきた。
そんな光を、私は今、初めて真っ直ぐ見つめてる。
おじさま、私、やっと前を向けたよ。
私、自由になるよ。
今、海に出るよ。
ーザバン!
「「「入ったーーー!!!」」」
ハートの海賊団の船は今、偉大なる航路へと航路を進めた。