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白を厭い、白に憧がる【ONE PIECE】

第9章 ウォーターセブンへの航路


ぷるぷるぷーがちゃ


【カラか。】

『うん、私。』

【…今朝の朝刊を見た。
上手くやったな。】

『ふふ、少し危なかったんだけどね。』

【あれだけの騒ぎを起こしておいてお前の顔が割れなかったのなら十分だ。
少なくとも軍艦を沈めたのはお前だろう?】

『おじさますごい。なんでもお見通しね。』

【当たり前だ。誰が育てたと思っている。】

『それもそうね。』












クスクスと笑うと、おじさまの顔をした電伝虫も少し口角を上げる。











【…愚問かもしれんが、怪我は。】

『私はないわ。
海賊との戦いの時にローが少し腕を斬っちゃったけど、、、』

【そうか。】

『でも、海賊相手の時、私は我を忘れてしまって…
小夜に助けられた。』

【…お前が我を忘れるだと?
そんなこと今まで一度もなかっただろう。】

『ええ。
ベポが…あのミンク族のシロクマの子が捕まって、それを見てたら許せなくて、、、
つい怒りに任せて小夜を振るっちゃったの。』

【…】

『小夜が私を諌めてくれたから、大事にはならなかったけど、あれが小夜じゃなかったら危なかったわ。
まだまだ修行が足らない。
以後そんなことがないように気をつけます。』

【…】

『…』

【…】

『…おじさま?』












おじさまからの返答がない。

…もしかして、感情に任せて刀を握ったこと、やはり怒っているのだろうか。













【…道を踏み外してないのならいい。
今回は小夜に救われたな。】

『はい。』

【お前はまだ成長段階だ。
これから数多くの失敗もあるだろう。
その度にそれを踏み台にして強くなれ。
基本的なことは叩き込んである。あとは実践と経験でどれほど高みに来られるかだ。
稽古と実際の命の奪い合いは全く異なるからな。】

『命の、奪い合い…』

【…お前に奪う気がなくとも、相手は本気でお前を殺しに来るぞ。
さらにその相手がお前よりも強い時こそ、成長の時だ。
必ず勝て。】

『はい。』











必ず勝て




キツい言葉に聞こえるが、剣士にとって負けとは直接死を意味する。

この言葉の裏にはおじさまの優しさがあることを知っている私は、その言葉に笑みを浮かべた。
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