第7章 白波
今の俺がアイツの首に刃を突き立てるためには足らないものが多すぎる。
力
情報
経験
能力
兵力
そして未知の領域の覇気という力
…つまり覇気を会得しないことにはいくら力をつけても斬ることも攻撃を与えることもできないわけだ。
カラが同じ七武海の鷹の目に勝てた試しがないのなら、そのカラに勝てない俺には全くと言っていいほど勝算はない。
俺は自分とあの男との距離にため息をついた。
…だが、これはチャンスだ。
情報は船が手に入ると同時に鷹の目から得られる。
覇気の存在を早く知れたのも好機だ。
その分前々から修行して精度の高いものにできる。
…この機は必ず逃さない。
必ずものにする。
俺は涼しい顔で海風に髪をたなびかせる女に目を向けた。