第7章 白波
「カラ!カラ!!」
咳き込むカラに何度も声をかけるけど、目はこちらを向かなくて、まるで聞こえてないみたいだ。
こんなに冷たくなって、何があったんだ?
僕はこれ以上体温が下がらないように、またギュッと力を入れて抱きしめる。
『ゴフッゴフッゴフッ、、が、あぁ!』
「え、」
カラの口から吐かれた生暖かいそれ、
それは、、、真っ赤な血だった。
「え!?どうしたの!
カラ!?」
カラは寒いのか、ふるりと身体を震わせて僕に擦り寄ってきた。
そしてそのまままるで眠るようにこくりこくりと頭が動く。
バン!
「カラは!、、っチッまずいな。」
「キャプテン…」
キャプテンは血塗れの僕を見て、状況を把握したらしい。
僕の腕の中からカラを掻っ攫って、僕にはペンギンを温めろと言って医務室に入っていった。
正直、何があったのか全く分からないけど、キャプテンに従ってペンギンの元へ走った。