第7章 白波
「あぁ!キャプテン!あそこ!!」
「っ!いけるか…」
かなり離れたところにペンギンを担いだカラが浮上してきた。
こちらに向けて泳いできている。
「Room!」
キャプテンが今までにないほど広い範囲で能力を展開する。
ギリギリ2人が入った。
「…シャンブルス!!」
ドササッ!!
「ペンギン!カラ!!」
『あ、、ガフッ、ろぉ、』
「…よかった。生きてた。」
カラはガタガタと震えながらもちゃんと息をしてる。
「いや、まだだ!2人とも危ない…!
ベポ呼んでこい!」
「ん?ボク?」
ちょうどベポが船内から出てきた。
イマイチ状況がわかってないようだ。
「っくそっ!カラ、お前…」
『ちが、、ろ、ペン、、ギン、心臓、のおと、、』
「大丈夫だ。
ベポ!船内入ってカラの服脱がしてお前の体温で温めろ!
低体温症になりかけてる!」
ベポはそれを聞くと直ぐに船内にカラを運んで行った。
「シャチはペンギンの対処手伝え!
ーRoom、、、カウンターショック」
ドン!
「ぐっ!」
ペンギンはキャプテンの能力で荒いながらも呼吸を始めた。
かなり水を飲んでいたのか、苦しげに吐き出す。
息ができるようになると、ペンギンも先程のカラのようにガタガタと震え始めた。
それもそうだろう。
ここはまだドラムの海域。
冬島の海域なんだ。
この寒い中海に入っていたら寒いどころの話じゃ済まない。
「シャチ!ペンギンも船内に運ぶ!
恐らく船はもう大丈夫だ。次はカラの肺がまずい。
こいつの服もさっさと脱がせてベポの毛皮と毛布で温めろ!」
「わかった!」
俺もペンギンを担いで船内へと走った。