第6章 白銀【2】
『…あ』
「おや、起きたね。」
『…っ!』
「動くんじゃないよ。」
あぁ、そうだ。オペしてそのまま寝ちゃって、、、
今、何時だろう?
『ドクトリーヌ、今何時かしら。あと、ローは?』
「今はもう夕方の6時さ。随分寝てたね。あの小僧なら、、、」
ーガチャ
「帰った。…目が覚めたか。」
『うん。』
「調子はどうだ。」
『うまく言えないけど、、身体が重くて、少し怠い。
あと、寝たはずだけどまだ眠い。』
と、話しながらも目蓋が閉じそうになる。
「まだ寝るな。シャチは船番だが、ペンギンとベポがどうしても見舞う、とうるさいから連れてきた。会えそうか?」
『うん。』
「よし、オイ、お前ら入ってこい。」
ーバン!
「「カラ!!!」」
『わっ!』
「大丈夫?痛くない?きつくない?」
「我慢したらダメだからな!なんかあったらすぐキャプテンに言うんだぞ!!」
『え、ええ、大丈夫よ。ありがとう。』
2人は凄い勢いでこちらにやってきて、半泣きの顔を向ける。
「お前ら、、、カラに負担をかけるな、と言っただろう?」
「静かにする、とも約束したねぇ。」
医者2人によって引き剥がされ、ぽいっと外に追い出された。
『…』
「悪かったな、騒がしくして。」
『ふふ、でも、嬉しかったわ。』
「…そうか。」
「さぁ、小娘、飯だ。食べな。」
ドクトリーヌがそう言って出してきたのは葉っぱが沢山乗ったお粥。
美味しそうではある、けど、、、
『…ごめんなさい、あんまり食欲なくて、、、全部食べられる気がしない。』
「そうか。気にすることない。食べれる分だけ食べろ。」
「ヒッヒッ、そうさ、アタシの作る粥は栄養満点だからね、全部食べれなくても大丈夫さ。」
『…ありがとう。』
結局私は出されたお粥の半分ほどを食べて残してしまった。
『美味しかったわ。…残してしまってごめんなさい。』
「これだけ食べれたら上出来だ。さぁ、もう寝ちまいな。
病人は寝るのが仕事だよ。」
その通りだ、と言わんばかりにローも頷く。
『…わかったわ。
…おやすみなさい。ロー、皆に、ありがとうって、伝えて、、、』
私は再び目を閉じ、深い、深い眠りの中に落ちていった。