【沖矢昴・安室透夢】 Madeira〜琥珀色の姫君〜
第4章 序の口
しばらくするとそよ香の呼吸が整ってきた。
「大丈夫ですか?」
ティッシュを差し出すと
そよ香は目や鼻の周りを拭き始める。
無意識とは恐ろしいものだ。
俺は気が付くとそよ香の瞼にキスを落としていた。
何故そうしたのか
説明しろと言われても分からない。
あたかもそれが当然であるかのようだった。
そよ香は一瞬驚いたような顔をしたが、
何も言わずもう一度俺の腕の中で目を閉じる。
「…もう寝ましょう」
今度は額にキスをして
そよ香をベッドまで運んだ。