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【沖矢昴・安室透夢】 Madeira〜琥珀色の姫君〜
第2章 嘘つき
男はそう電話するとそよ香の元へ駆け寄る。
「そよ香さん、大丈夫ですか?
終わりましたよ」
眠っているのか、意識がないのか分からないが
返事はない。
抱き起こし、見える範囲で怪我がないか確認する。
鎖骨あたりに真新しい火傷の痕が見えた。
「…チッ
くだらんことをする奴らだ…」
遠くでサイレンの音が聞こえる。
そよ香を抱き上げ、そよ香の所持品と思われる
ビジネスバッグや放り出された財布を持つと、
男は赤い小さな車に乗り込んだ。
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