• テキストサイズ

【沖矢昴・安室透夢】 Madeira〜琥珀色の姫君〜

第9章 渡さない*




とはいえ、やることがないわけではない。


ジェイムズへの報告に

これから本気でそよ香のことを奪いにくるであろう

奴らの作戦をどう崩すか…



そよ香の作ってくれた朝食を食べ、考えあぐねていると

再びスマホに通知が入る。

今度はそよ香の位置情報に動きがあったことを告げた。

約束通り、定時に退社をしたようだ。

これからスーパーに寄るとしたら帰宅するまで

あと1時間はある。

そよ香には家事禁止令を出されたわけだが、

まとまった睡眠をとったおかげで心身ともに好調だ。





(今日は可愛がってやるか…)





風呂掃除でもしようとソファから立ち上がり

掃除道具をあれこれ用意していると、

ポケットに入れていたスマホから着信音が流れる。






「俺だ、どうした」



『赤井さん…!すみません、そよ香さんが……!!』




キャメルの言葉を最後まで聞くと

耳と肩で挟んだスマホが床に滑り落ちる。

怒りで震える手で拾い上げると日本語など忘れた。





「……What…did you say. Camel…?」
(…もう一度言ってみろ。キャメル…)


『 I……I am deeply sorry ,Sir…!!』
(も…申し訳ございません!!)





/ 272ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp