• テキストサイズ

イケメン戦国/お殿様!って言わないで

第24章 外柔内剛(がいじゅうないごう)/前編


「パシッ!」



一瞬、何が起きたのか解らない、という顔の蘭丸だったが、

ひなに頬を叩かれたのだと気付く。

目をぱちくりさせている蘭丸にひなは言った。

『蘭丸は大人だから別に何処へ行こうが構わない。

だけど、何処へ行くか、いつ戻るかぐらい伝えてから出て行って!

…急にいなくなると、心配するでしょ!』

そして蘭丸を、ぎゅっと抱き締めた。

『の、信長さま!?ごめん…なさい。』

蘭丸が そっとひなを抱き締め返した。


ひなは、はっ!と我に返る。

『わわっ!こっちこそごめん!急に抱き付いたりして…。』

慌てて腕を解いたものの慌てふためいている。

すると、横から盛大な溜め息が聞こえた。


『はぁー。信長さま、仲良しこよしのとこ申し訳ないんですけど、荷物、ばら蒔いてます。』

足元を見ると薬や包帯が大暴れしたように散らかっている。

(あ、蘭丸を抱き締めた時に放り投げちゃった…。)

『さっさと拾いますよ。』

家康は持っている荷物を脇に置き、ひなが散らかした荷物を拾い出す。

『わー!ごめん!家康は拾わなくていいよ。私が…。』

『いいえ、俺のせいです!俺が拾います!』

『だから押さないで…。』



わあわあと三人が騒ぐ様子を遠くで光秀が眺めていた。


『なんだ?いつからここは寺小屋になった?

ちっこいのが集まって、ちょこまかと何をやってるんだか。』

クックッと笑いながら光秀が三人の方へ歩いていく。
/ 361ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp