• テキストサイズ

イケメン戦国/お殿様!って言わないで

第61章 綢繆未雨(ちゅうびゅうみう)


不思議そうな顔で、佐助が聞き返す。

『え?信玄さまに伝えるのは、今すぐではなく、宴が終わってからでいいんですか?』

『ああ、構わん。』

言いながら、離れた場所で楽しそうに、幸村や他の家臣らと酒を酌み交わす信玄を見やる。

『あやつには時間が無いのだ。本心としては、少しでも戦を忘れ、楽しい時を過ごさせてやりたい。

せめてこの、一時(ひととき)だけでも。』

『謙信さま…。』

『まあ、そう悠長な事は言っておられんのかも…しれんがな。』

目を伏せ、謙信は再び盃の酒を味わう。

『…染み入る美味さだな。』

佐助も静かに頷いた。




〜兼続は、佐助の言うように、既に城の程近くまで来ていた。

『もう佐助の口から謙信様に伝わっている頃だろうが…。

この摩訶不思議とも言える事態、どう対処するべきか。』

この時は、まだ、日ノ本各所で起きている怪事件に、自分も含め、ひなまで巻き込まれることになろうとは、誰も思っていなかった…。





※綢繆未雨(ちゅうびゅうみう)〜しっかりと準備をし災害などが起こる前に防ぐこと。
/ 361ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp