第44章 一日千秋(いちじつせんしゅう)
ひなは腰が折れそうな程に深々とお辞儀をした。
『うん、お腹空いちゃった!早く行こっ!』
そして、右手で三成、左手で慶次の手を握ると走り出した。
『おわっ!』
『わゎゎ!』
突然引っ張られて前につんのめりそうになる二人の顔も、
『こら!廊下は走るなって言ってるだろ。』
そう言って叱る秀吉の顔も、もちろん、ひなの顔も…。
空に顔を出し始めた星のように、キラキラと煌めいているのだった。
*一日千秋~非常に待ち遠しいことのたとえ。一日が千年にも長く思われる意から。