第40章 最寒松柏~足利義昭 京都編
… … …
信長の話を聞いて、一同は静まり帰っている。
慶次が口火を切った。
『それじゃ、ひなは今頃、かつて信長さまが彷徨っていたように暗闇の中にいるってことですか?』
『多分な。ま、多分としか答えようがないが。』
『か弱い女性が暗闇の中で彷徨っているなど…想像しただけでも辛すぎます!』
悲壮な顔で三成が首を振る。
『しかし「暗闇の中」って情報だけじゃ探すにもどうすればいいんだか解りゃしねぇな。…ところで、その暗闇を抜けた時、信長さまは何処にいたんですか?』
政宗の疑問を受け、本家・信長が腕組みをして考察していた。それから、あぁ、と思い出したように呟いた。
『確か天守閣に居たな。ひなと最初に会ったのも、あそこだ。』
『…とすれば、何が思い入れのある場所、あるいは印象深い場所にいるかもしれない、ということでしょうか?』
『三成!やっぱり お前は織田軍の頭脳だな。あいつにとってこの戦国時代で印象深い場所と言えば…』
秀吉が皆の顔を見渡し頷いた。
~足利義昭 京都編 終→第41章149ページ共通話へ