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イケメン戦国/お殿様!って言わないで

第35章 軍事同盟


『あ、義元…さん。』

驚いて振り返ると、心配そうな顔の義元だった。

『やっぱり体調がすぐれなかったんだね。始めは藍色の着物のせいかと思ったけど。』

(さすが目利きと言われるだけある!人の顔色も良く見てるんだ…。)

『大丈夫です。少し外の空気を吸えば落ち着きます。』

『うーん、大丈夫な人の声音では無いね。』

チラチラと左右を見渡し、

『佐助、いるんだろう?』

と何もない空間に問いかける。

『はい。こちらに。』

何処からやって来たのか、佐助が二人の目の前に膝まづいている。

『うわっ!びっくりした!』

思わずひなが肩を揺らす。

『ひなさん、いつもながら驚かせて ごめん。』

佐助が表情を崩さずに謝る。

『ううん、こちらこそ驚きすぎてゴメン。やっぱり佐助くんも来てたんだね。』

(なんだか ちょっとホッとしたかも。)

『ああ。一応 忍だから、忍んでた方がいいかと思って、遠くからそっと見てた。』

『ふふっ。その言い方は なんか怖いよ。元気そうで安心した。』

ひなが吹き出す。

『ひなさんは…少し体調が悪そうだね。』

佐助が伺うように顔を覗き込む。

『大したことは無いんだけど、ちょっと立ちくらみが、ね。』

そう言ったところで、義元にまだ腕を支えられていたことに気付く。

『わっ!すみません、義元さん。私、凄く自然に体重を預けてました。』

『いいよ。もっと預けて貰っても。君は軽いね。ちゃんと食事は取れてるの?』

『え?えぇ、まあ。』

そういえば、本家・信長の事が心配で、この2~3日あまり食べていなかった気がする。

『ともかく、近くの部屋ででも休んだ方がいい。武将達には、適当に言い訳しておくよ。

ここは入っても?』

義元が側の障子を指差す。

『多分。普段 客間として使われている所なので。』

佐助がスッと障子を開ける。
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