第1章 突然の
『…忍たまを克服せよ…ですか』
昼時、山本シナ先生に呼ばれ部屋を訪れてみれば若い方の山本シナ先生がおり、声を発したまんまの言葉を言われた
山「えぇ…また学園長の突然の思いつきよ。ほら、ちゃん、男の人苦手でしょ?せめて忍たまだけでも克服しなさいって…」
突然の思いつきにしても悪趣味すぎやしませんか…唐突すぎて泣きますよ私
『き、喜八郎や先生方、下級生は平気なのですから、それでいいじゃないですかぁ…』
山「そういうわけにもいかないのよ…ちゃんも上級生だし…綾部くんだけ平気なんてだめだって、流石に幼馴染以外の男の人とも仲良くなりましょう!」
『むむむ、無理無理無理無理です…!いくら先生のお願いでもそればかりは聞けません…!』
小さい頃から、父と喜八郎に自分たち以外の男は危険だと散々聞かされたせいか、他の男の人に抵抗を持つようになってしまった…流石に村の人は平気だけど…先生や事務員の小松田さんにまでビビり倒すわけにはいかないので、なんとか話せるぐらいには頑張ったのに…
『喜八郎に相談…というのは…』
山「流石にちょっと…あの子に相談したらきっとだめって言われちゃうもの。」
頬に手を当て苦笑するシナ先生と肩をがくっと落とす私…喜八郎なら言いかねないなぁ
『でも無理なものは無理ですよぉ…それに今更上級生と仲良くしろだなんて言われても…入学してから関わった忍たま、四年生ぐらいですし…』
入学当初から喜八郎にくっついてたからそれで滝夜叉丸と三木ヱ門あたりは挨拶と少しの会話ぐらいはできる
二人とも美人で三木ヱ門は女の子に見えなくもないからまだそこそこ平気…とか言ったら怒られるんだろうなぁ…
山「実はね…学園長ったら善は急げじゃ!なんて言ってもう五年生と六年生に話は通しているそうなの…怖いかもしれないけど、頑張って!」
ぽんっと、肩に手を置かれ、明るい笑みを浮かべる先生…ひええぇ…学園長何てことしてくれるんですか…
『(うぅ、駄目って言われたけどやっぱり喜八郎に相談しよ…昼餉の後だとどっかで穴掘りしてるだろうし…)』
こんな精神的に死ぬ思い付きあってたまるか