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し ん あ い【鬼滅の刃/煉獄/R18】

第4章 すれ違い



~煉獄side~


あの事があってから、1週間が経った


何度も連絡しようとしたが、なんと言っていいかわからなかった。


それでも、陽奈子のことが心配で思い切って直接会おうと、アパートの前で待っていた。


「…きょ、じゅろ…?」


「…おかえり、陽奈子」


咄嗟に出た言葉がそれだった。

そうすると陽奈子はにっこり笑って「ただいま」と言う。


「どうしたの?あ、もしかしてまたフレンチトースト食べたくなっちゃった?」

「…いや、そう言う訳ではない。君が…心配だった。」


そう言うと一瞬悲しそうな顔をしたが、すぐに笑顔で答える

「や、やだな!私は全然大丈夫だよ!ほら、みんなに支えてもらってるし!」



正直、宇随や冨岡の言っていることがあまり理解出来ていない。

だが、陽奈子が辛そうにしているのは、あの少年のことだけではないのだと思っていた。


「何か…陽奈子の力にはなれないか?」

「…杏寿郎……優しいね。ありがとう!でも、大丈夫だよ」

そう言ってまた笑う。

どこか無理をしている気がするが、これ以上聞いてはいけない気がした。

「そうか…もし、俺に何か出来ることがあったら言ってくれ。君に頼られるのは嫌いじゃない、とても嬉しいんだ。」

そうふっと微笑むと、陽奈子が俯く。


「…い」

「む?なんだ?」

聞き取れなかったので、聞き返すと

「杏寿郎はずるいよ…」

顔を上げた陽奈子の瞳には涙が溢れていた。


「っ!よ、よもや!!どうしたのだ!?俺が何か気に触ることを言ったか?!」

泣かせてしまったのかと、焦っていると

「…っふ、ふふっ、なんでもないよ。びっくりした?」

今度は微笑みながらそう言う。

「…君は…本当に…驚かせることをする。心臓に悪いのでやめてくれ!」

「ごめんなさーい!」

そう言う彼女は、なんとなくいつもの陽奈子に戻った気がした。

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