第4章 すれ違い
~夢主side~
家に帰ってから、義勇さんからもらったメモに目を通す。
細かくこれはこうして、とか、書いてあるからすごく分かりやすい。
目を通していくと、下の方でぴたっと視線が止まる。
「(あ、これ…)」
そこに書いてあったのは
"フレンチトースト"
この間杏寿郎の誕生日に即席でつくってあげたものだ。
はじめて食べたそれを「また食べたい」と言ってくれたのを思い出す。
杏寿郎が美味しそうに食べていた顔を思い出すと「お客さんにも食べてもらって笑顔になってもらいたいな~、杏寿郎みたいに…」と考え始めた。
「…うん!よし、新メニューはこれに決めた!明日にでも義勇さんに相談しよう!」
義勇さんからもらったメモに赤ペンで丸をつけ、自分なりにどんなものにしようかと紙を取り出し書き始めた
しばらく集中して書いていると、電話が鳴った。
「珍しいな、誰だろう?」
と画面を見て着信名にびくっとしてしまう
「…は、はい……」
恐る恐る電話に出ると
『…ぉ、おぅ。昨日は助かった、ありがとよォ』
電話の相手は不死川さん
あまりの珍しさに若干警戒してしまう。
「い、いえ!おはぎちゃんどうですか?」
『あんまり変わらねェけど、元気には元気だァ』
「そっか、よかったです!」
会話が…つ、続かない!!
そう、困ってると不死川さんが話してきた
『…あ、あのよォ…お前、来週の土曜って…休みか?』
「…え…?ら、来週の土曜は…」
手帳に挟んであるシフト表をチェックすると
「あ、オフです!」
『…そ、そうかァ…その、なんだ……』
もごもごと話しづらそうにしている不死川さん
「何かあるんですか?」
そう聞くと
『…そ、その…お前、甘いもん好きだろォ?…土曜日に和菓子のバイキングやってるとこ…行かねェか?』
「…え、えぇ!?」
突然の誘いに驚く。