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し ん あ い【鬼滅の刃/煉獄/R18】

第4章 すれ違い




~富岡side~

陽奈子を駅までの送ると、店へ戻る。

歩きながら、昔のことを思い出していた…



俺には陽奈子と同じ歳の『綾』という妹がいる。


綾と陽奈子は小さい頃から仲がよく、俺もよく一緒に遊んだ仲だった。


だが、俺が中学にあがる頃、親の突然の転勤が決まり、陽奈子と離れることになってしまった…


引っ越ししても、綾と陽奈子は連絡を頻繁に取っていて、陽奈子のことを綾から色々聞かせて貰っていた。


そんなやり取りが続き、数年経つと、綾が自分の進路を専門学校へ行くと決めていた。
そのことを陽奈子に話すと、なんと陽奈子も同じ道を選択していたのだ。しかも綾と同じ学校を選んでいた。


その翌年の春には陽奈子もこっちに引っ越してきて、俺たちはまた再会することができた。


再会すると、少し大人びた陽奈子に胸が高鳴る。


妹のように可愛がっていたあいつが…

いつの間にか異性として意識していた。



自分の気持ちに気付くには時間はかからなかった。



俺は陽奈子が好きだ。

ずっと一緒だったから、あいつのたくさんのことを知っている。

すごく頑固者で、努力家で、だけど傷付きやすく、落ち込みやすい…
綾と専門学校の課題をしていた時も、お互い頑固者のせいで喧嘩をしては泣いていたこともあった。


そんな陽奈子を好きになった。

だが、陽奈子はきっと俺のことを"兄"としてしか見ていない。

そう分かっているから、自分の気持ちに蓋をして置くと決めた。自分の気持ちを伝えることで、困ったあいつの顔を見たくない。

だからあいつの側にいられるだけで充分だった


そう昔のことを思い出しながら、また自分を頼ってくれる陽奈子が好きだ、と…

また再確認してしまうのだった。

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