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し ん あ い【鬼滅の刃/煉獄/R18】

第4章 すれ違い




慌てて階段をかけ降り、道に出ると前から金色の髪を揺らして歩いてくる人影を見つける。

そう私の大好きなあの人。

「…陽奈子?!こんなところで何をしているのだ?」

急に現れた杏寿郎にびっくりしてしまったのと、先程思い出した出来事が合わさりドキドキが止まらない。



「きょ、じゅろっ!!ちょっと不死川さんに用が…、ごめん!またね!!」


「陽奈子!?」

名前を呼ばれたが振り返ることができず、逃げるように自分のアパートへ帰る。
だって、あんなタイミングで会ってしまったんだ…
どんな顔をしていいかわからなかった…




~煉獄side~


業者と打ち合わせが終わり、今日の書類を届けるために不死川の家に向かっていた。

不死川が休むなんて珍しいと思ったが、事情が事情なだけに仕方がない。不死川以外に家には誰もいないのだ。
猫とて、きちんと生がある。もしものこともあるだろうから、俺が代わりに行くから休めと言ったのだ。



ちょうど陽奈子の家の前を通りかかる。

陽奈子の部屋を確認するとまだ明かりがついていなかった。

「(また、店に残って練習だろうか?これを届けたら顔を出してみようか…)」


そう思っていると不死川のアパートから陽奈子が出てきた。


「…陽奈子?!こんなところで何をしているのだ?」

慌てているようだが、何かあったのだろうか?
少し顔が赤いようだが…

「きょ、じゅろっ!!ちょっと不死川さんに用が…、ごめん!またね!!」

「陽奈子!?」


そう呼び止めても振り返ることはなかった。

「(よもや…不死川と何かあったのか!?)」

もやもやする気持ちを押さえつつ、不死川の家のインターフォンを押した。

がちゃっ
するとすぐに出てきた。

買い物袋を片手に猫を抱いた不死川が出迎える。

「おー、今日は急で悪かったなァ」

「…う、うむ!一通り打ち合わせは済んだ!」

先程の陽奈子のことが気になるが、焦る気持ちを押さえる。

「ありがとよォ、明日には出れると思う。」

「…不死川、ひとつ聞いていいか…?」

確認をするために一呼吸ついてから問いてみる。

「…今陽奈子と下で会ったんだが…その、慌てていたので、何かあったのかと…」

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