第4章 すれ違い
~夢主side~
杏寿郎への気持ちへ気付いてから数日
今日も仕事の為にお店に足を向けていた
すると前に不死川さんの姿を見つけた。
「お、おはようございます不死川さん!」
そう声をかけて覗き込むと、大事そうに小さめのゲージを抱えていた。
「…なんだァ、お前か。」
「これは…?」
なんだろうと、覗き込むとその中にいたのは…
「にゃぁ…」
弱々しく可愛い声で鳴く子猫が。
「不死川さん、この子拾ったって言ってた…」
「…おー、そうなんだけどよォ…昨日から全然元気なくてなァ…」
いつもなら「うるせェ!」って言い返して来そうなのに、今日はその勢いもない。
心配そうに子猫を見つめる不死川さん。
「…これから病院に?」
「あァ…宇随たちには悪ィけど、休ませてもらった。じゃぁなァ。」
そう言い足早に去っていってしまった。
「(早く元気になるといいな…)」
子猫ちゃんが早く元気になるようにと願いながら、駅へ向かった。
お店に着くと、何やらみんなが集まって話をしている。
「あら、陽奈子さん!おはようございます。」
しのぶちゃんがニコニコと挨拶をしてくれる。
「陽奈子ちゃん!おはよー♡ちょうどいいところに来たね!とってもいいお知らせだよ!」
ウィンクをしてくる蜜璃ちゃんが、何やら紙をもって「おいでおいで」と手招きしている。
「なんですか?…これは…設計図?」
「そうです。これ、何の設計図かわかりますか?」
しのぶちゃんにそう言われ、その設計図をよーく見てみる。
「………!!」
飲食店のような設計図にハッとし、しのぶちゃんを見ると
「そうです。フラム2号店の誕生です!」
そうしのぶちゃんが言うとみんなが歓喜の拍手をする。