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し ん あ い【鬼滅の刃/煉獄/R18】

第3章 優しさに触れて



ボウルに牛乳、卵、砂糖を入れてかき混ぜる。

食パンを出して、卵液に浸す。

フライパンにバターを入れて溶かし、浸したパンを焼く。

焼いていると甘くていい匂いが鼻をくすぐる。

「甘いいい匂いだな」

「でしょ?もうすぐ出来るから!」



しばらくして杏寿郎の目の前に作ったものを出す

「ケーキじゃなくて申し訳ないけど…」

と言って目の前に出したものは"フレンチトースト"

「む?これは何と言う食べ物なんだ?」

「杏寿郎、食べたことないの?じゃ初フレンチトースト記念日だね!はい、温かいうちに食べてみて?」

と、ナイフとフォークを渡すとフレンチトーストを切って口に運ぶ。

「…」

「どう、かな…?」

口に合うかと、少し不安な気持ちで聞くと…

「わっしょい!!」

「え…?」

「…あ、すまん。すごく美味しいものを食べるとつい、わっしょいと言ってしまうのだ…」

と、杏寿郎はポリポリと恥ずかしそうに頬をかく。

「あ!そういえば、初めて会ったときお店でさつまいものモンブラン食べたときに"わっしょい!"って言ってたね!」

「うむ。さつまいもの場合は毎回言ってしまうのだ。だが、この"ふれんちとーすと"と言うのはさつまいもと同じくらいうまい!また作ってくれるか?」

片言のように"ふれんちとーすと"と言う杏寿郎が可愛いと思いながら「また作ってくれるか?」と聞かれるとつい頬が緩んでしまう。

「もちろんだよ!そんなに喜んでもらえるならいくらでも作る!でも、急いで作ったから味に自信なかったんだけど…」

と私が言うと「ならば、陽奈子も一口。ほら」と自分の使っていたフォークでフレンチトーストを刺すと、私の口元に持ってくる。

「…っ!!(こ、これはか、かか間接き、す!?)」

意識しているのは私だけみたい…

「じゃ、じゃー、い、いただきます。」

ぱく

「どうだ?うまいだろ?」

「うん!我ながらおいしい!あ、じゃない。わっしょい!!」

杏寿郎が私を見て微笑む。

「いいわっしょいだ!よかったら陽奈子も使ってくれ!」

いや、二人のときしか言えないよ。さすがに人前は恥ずかしい…と、心のなかで呟く。


するとどこからか電話の鳴る音が聞こえた。


「電話…杏寿郎のじゃない?」

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