第1章 出逢い
「駐車禁止とは書いていないだろう!?それにこの間、胡蝶に聞いたら許可してくれたぞ!!なぜ前回はよくて、今回はダメなのだ!?理由を説明してくれ!!」
「(知り合いなのかな?それにしても声が…)」
「ですから、前回は不死川さんが黙って停めたんです!後でお説教したんですからね!」
「むぅ…困ったな!これでは仕事が出来ん!!機械が車に積んであるのだが、ここに停められないとなると遠くまで運ばなくてはならんのか!!」
なんだか独り言のように呟いていると、入り口からまた声が聞こえてきた。
「よー、悪ぃけど、停めさせてもらえねーかな?悲鳴嶼さんよ」
「(!!こ、この人も派手!!)」
「宇随か。はぁー…仕方がない、今回だけだ次はない、いいな?」
「おぅ!さすが悲鳴嶼さんだぜ!ありがとよ!」
「言っておきますけど、前回のこと私はまだ怒っていますからね!」
「はいはい、胡蝶。あんま怒ると可愛くねーぞ?ニヤニヤ」
「(な、なんだ皆知り合いなんだ、でも入れない…胡蝶さん、次は何をすればー!!)」
「お、そーいえば、新入りか?そのちんちくりんなやつは」
「(ちょ!!それさっきも言われたんだけど!!失礼な人だなー)」
「宇随さん?あなたもうちょっと言葉に気を付けた方がいいですよ?女の子には優しくしましょうねー?ニコー」
笑ってるけど、目、笑ってない胡蝶さん。
そんなやり取りしてるとまたしても入り口から…
バンッ
「おいおい、まだ話付かねぇのかァー?いつまで待たせんだよォ」
「(蹴破って入ってきましたけどもー!!え、しかも目怖い!血走ってるし、傷だらけじゃん!!ひぇー、なんなのこの人達ー!!)」
「うむ!不死川!たった今許可を貰ったぞ!始めるとしよう!」
「んじゃ、そーゆーことなんで、よろしくなー、まーた昼飯喰いにくっからよ!」
派手派手さんは片手をひらひらさせながらお店から出ていく。
続くように奇抜さんと傷だらけさんも出ていった。
「全く!いいんですか、オーナー!?いくら付き合いが長いからってー。またそのうち同じことしますよー!!プンプン」
蜜璃ちゃんがプリプリしながらオーナーに言うと「気にするな、昼飯代に駐車料も含めて請求しておこう」と言っていた。
「(あの人たちお昼食べに来るんだ…なんか嫌だな……)」