第1章 出逢い
制服に袖を通す。
上はブラウンのYシャツ、エプロンはブラックだ。
パンツはデニムならなんでもいいと言われたので、動きやすいストレッチ素材のスキニーパンツにした。
髪は下ろしていたので、しっかりと一つに結んだ。
着替えてお店に顔を出すと、蜜璃ちゃんが飛び付いてきた(もう同い年だからいっかなってしたの名前で呼ぶことにします)
「陽奈子ちゃーーん!!かわいーわぁ♡もうきゅんきゅんが止まらないわー♡」
「あ、ありがとう、み、蜜璃ちゃん…ごめん、ちょっとその豊満なお胸がくる、しい……」
「あ、ごめんね!?あまりに陽奈子ちゃんがかわいくてついー♡さ、まずはテーブルを拭いたり、埃がないかチェックしながらお掃除よー!!」
蜜璃ちゃんは「えいえい、おー!!」と気合いを入れてお掃除を再開する。
「あら、緋里さん、とってもお似合いですよ!サイズはばっちりみたいでよかったです。それではまずこれで入り口の掃き掃除をお願いします」
そう言ってほうきとちり取りを渡してきた
「あ、はい…(サイズ、言ったっけ?)」
外に出て掃き掃除を始める
天気がいいので、外はほんのり温かくお昼寝するにはもってこいだなーなんて考えながらお掃除していると、後ろから車が停まる音がした
「おい、こんなところに停めていいのかよォ?」
「うむ!今、胡蝶に聞いてこよう!!」
「(声おっきい人だなー…朝からげんk…)」
振り向くと、そこには奇抜な金色、毛先は赤の髪色の目がぎょろっとしている男の人がこちらを見ていた。
「!!む?見掛けない顔だな?!それよりすまんが、胡蝶はいるか?」
「(目!目がどこ見てるのこの人!!)あ、胡蝶さんなら中に…」
そう言うと奇抜さんは「うむ!ありがとう!」と笑顔で中に入っていった。
「(笑うと…なんだろう、こう…うーん、何かに似てる…)」
その何かが思い出せずにもやもやしながら、掃き掃除を終えて中へ入る。
すると、先程の奇抜さんが何やらオーナーと揉めている
「なぜだ!?少しの間だけだと言っている!」
「少しでも、元は駐車禁止の場所だからな。ダメなものはダメだ」