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し ん あ い【鬼滅の刃/煉獄/R18】

第3章 優しさに触れて





私も、周りから見たらあんな感じだったのだろうか…




私にも少し前には、隣で笑ってくれる男性(ひと)がいた。
手を繋いで、お互い見つめ合いながら笑って…

初めて人を好きになって、毎回会うたびにドキドキしてて…
でも、別れは突然だった。
「ごめん。陽奈子とはこれ以上付き合えない」



あまりに突然だった、あの嫌な記憶を脳が勝手に思い出させる…また悲しい気持ちに戻ってしまう。
今思い出すこともないのに…いや、思い出さないように閉まっていたのに…
あんな悲しい気持ちになるなら、人を好きになるのはもう止めよう。自分の気持ちに蓋をしておこう…


「…陽奈子?どうかしたのか?」

「…っ!ご、ごめん!な、なんでもない!!えっと次は…」

杏寿郎に呼ばれた声ではっと気付き、現実に引き戻される。




買い物を終えて車に積み込む。

「陽奈子は…こんなに食べるのか…!?」

杏寿郎が少し驚いている。
それもそのはずだ。

一人暮らしの1週間分の量ではないのだ。

「こんなに私が一人で食べると思う?」

「む…そうだな食べ盛りの年頃だろうから…」

「ち、違います!!買っちゃってから言うのも変だけど…改めてお礼をしたくて。」

その言葉に意味が分からず首を傾げる杏寿郎。

「あのね!その、嫌じゃなかったら…ううん、嫌でも!!今日お夕飯作るから、食べていって?」

「…よもや!!いいのか!?是非ともいただこう!!」

遠慮するかと思いきやすごく喜んで承諾してくれた。

「ふふ。そんなに喜んでくれるなら、頑張っておいしいの作らないとね!」

「うむ!楽しみにしている!!では、そろそろ帰ろうか?」

「うん!ありがとう!」


車を走らせ、私の家へ向かう。

「いやー、本当に杏寿郎のお掛けで助かりました!ソファも買えたし、食料調達もね!」

「うむ。陽奈子の役に立ててよかったぞ!」

「あ、その角を右ね。」

杏寿郎にそう伝えると、その通りにハンドルを切る。

角を曲がりきり「もう少しでうちだよ」と、言ったとき、目の前を何かが横切った。

「なっ!!」「わっ!!」
キキーッ!!

杏寿郎が慌ててブレーキをかけた。
その瞬間、私の体が前のめりになる

「えっ…」

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