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し ん あ い【鬼滅の刃/煉獄/R18】

第3章 優しさに触れて




「あ、あのさ、杏寿郎!私、行きたいところがあるんだけど…」

申し訳なさそうにお願いしてみる

「どこに行きたいのだ?」

「えっと…スーパーに…。」

なんか主婦みたい…

「…そんなところでいいのか?折角車があるのだから、何か大きいものとか…」

「ううん!一週間分をまとめて買うから、意外と重くて…ダメかな?」

「いや、俺は構わない。どこがいい?」

ちょっとわがままを言いすぎてしまっただろうか?
そんな心配をしながら「お願いします」と、頭を下げた。

「うむ!任せてくれ!だが、その前に昼を食べていないだろう?」

すっかり忘れていた。
いつもは朝ごはんをあまりきちんと食べないのに、今日はわりとしっかり目に食べたので、あまりお腹が空いていなかった。

「そっか!もうそんな時間かー。杏寿郎は何か食べたいのある?」

「うーむ…そうだな……」





お昼を食べて(もちろんお昼代は出した)、行ってみたかった大型のスーパーへ。


「うわぁ!すごーい!!」

いつも行くスーパーよりも広く、商品もたくさんあるので、子供のようにはしゃいでしまう。スーパーでお買い物するの結構好きだから、これだけあると品数が多いと若干興奮してしまう。

「ここも家具屋のように広いな。何から買うのだ?」

と、そう言って杏寿郎がカートを押してくれる。

「あ、ありが…と…(な、なんかこれって新婚さんみたい!)えっと人参と玉ねぎ……」

そんなことを考えながら買い物を続ける。

「(杏寿郎はどう思ってるのかな…?)」

チラッと見るといつも通りの表情。

「(変に意識しているのは、私だけなんだろうか…)」

ぼーと考えていると、ぬっと杏寿郎の顔が目の前にいた。

「どうした?買い忘れでも思い出しているのか?」

不意打ち過ぎて驚くと同時に顔が熱くなる。

「…な、なんでもないよ!(やっぱり杏寿郎は私のこと…)あれ?」

少し離れたところに、さっき家具屋で会ったはずの宇随さん達を見かける。


後ろ姿はなんだかとても幸せそう。
見つめ合って会話をしながら笑い、片方の手はそれぞれの手に指を絡ませるように繋いでいる。

「…すごく、幸せそうだね…お似合いのカップル。」

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