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し ん あ い【鬼滅の刃/煉獄/R18】

第3章 優しさに触れて



「…っ、ご、ごめっ…可笑しくて…はぁー苦しい!涙出たー!」

「理由は知らんが、笑うのはひどいと思うぞ!」

腕を組ながらそっぽを向いて座る杏寿郎に、ちゃんと理由を話す。

「ホントにごめんね?悲しい話しとかじゃないの!小さい時に花火で火傷したの。お兄ちゃんと弟とあと、従兄弟とふざけててさ。前にも話したけど、私の親族は男の子ばっかでさ。女の子は私一人だけだったから、一緒になってよくやんちゃしてたんだ。」

前に家族の話を杏寿郎としたときがあった。
そのときに、私の家族構成を教えていたのだ。

「そ、そうなのか!?やんちゃをしていたとは…今の陽奈子では考えられんな!想像がつかん!!」

「そうでしょ?小学校高学年くらいから、ちょっと恥ずかしくなっちゃって、少し女の子っぽくしようと努力してたからね」

そう言いながら買った飲み物を口に含む。

「でも…この火傷のせいで、弟は責任感じちゃっててさ…」

杏寿郎が「責任…?」と首を傾げる

「弟が私に向けて爆竹投げてきたの。それが運悪く服の隙間から入っちゃって、この通り。弟は「責任取って、ねーちゃんと結婚する!」って聞かなくてさ…困っちゃうよねホント。その後、花火したがらなくなっちゃって…私は気にしてないって何回も言ったんだけどね。あの子、私と一緒で頑固だし…」

「それは災難だったな…今は、痛むのか?」

心配そうに覗き込んでくる。

「ううん!ぜーんぜんっ!傷が残ってるくらいで、なんともないよ。」

「そうか、それはよかった。」

そう言って少しだけ悲しそうな顔をして胸を見てくるから

また「杏寿郎の…エッチ。変態!」と言って笑って見せた。



その後、ソファを受けとると、お店を後にした。

「やっぱり大きい車は違うね!すっぽり入っちゃうなんて!」

大きな車だとは思っていたが、ソファが楽々入ることに改めて感心した。

「大工が使ってるから、これくらい車内も広くないとな!」

杏寿郎が運転してるのは大きなバン。
私も車の免許は持っているけれど、ペーパードライバーってやつ。
それにこんな大きな車は絶対に運転できない…

「この後はどこか寄るところはないのか?」

杏寿郎が「行ける範囲で連れて行くぞ」と言ってくれる。

ふ、と考えた。

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