第2章 好きの違い
~煉獄side~
初めてあった時は幼いとしか思えなかったが、だんだんと妹のように思えた。
危なっかしいし、コロコロと表情を変えて面白い。
笑った顔を見れば、こっちも連れて笑顔になってしまう。ちょっと天然なところも、落ち込みやすいところも、妹のように守ってやりたいと思い始めていた…
そう、あの瞬間までは…
でも今はその気持ちが何だったのか、理解出来る。
初めて一人の女性を愛し、守り、大切にしたいと
そう心から想える人に出逢えたのだ。
今まで気付かなかった自分に不甲斐なさを感じる。
今までのことを振り返りながら、宇随に相談する。
「それで、明日はどうすればいいのだ!?俺の家に陽奈子が来るのだろう!?部屋は綺麗に掃除をして、整理整頓をしておくべきだろうか…?」
「いや、お前の部屋はめちゃくちゃ綺麗だから、あれ以上綺麗にする必要はねーよ。どーすっかなー?お前のところに何も連絡はねーのかよ?」
言われて思い出す
「そういえば、メールが来ていたな…」
来ていたメールを開きチェックをする
『今日は差し入れありがと!なんか具合悪そうだったけど、大丈夫?』
優しいな、陽奈子は…
そんなところも好きだ!
「…おい、スマホ見ながらニヤニヤすんな気持ち悪ぃー。」
「っ!す、すまん。嬉しくて、つい…」
俺のことを気遣ってくれたのが嬉しくて、つい頬が緩んでしまう。
「特に俺の家に来ることは言ってないが…」
「てことは、サプライズで来るつもりかもな!あいつのことだし、あり得るな!」
さ、サプライズ…ちゃんとリアクション出来るだろうか…
「宇随…俺には無理だ!来ることを知ってしまってはきちんとしたリアクションが出来ん!!」
「そこはしろよ!お前がここにいること黙って電話してたんだからよ。」
結局、明日は宇随も俺の家にいてくれることになった。
心強い!が、どんな顔をして出迎えればいいのやら…陽奈子の顔を直視できん気がする。
あぁ、考えただけで心臓がドキドキとうるさい。
宇随は「あいつ鈍そうだから、お前のことはバレないだろ」と、言っていたが…