第2章 好きの違い
~夢主side~
「杏寿郎?変なのー?あ、どら焼とグレープジュースのお金…また今度でいいかな?あとで連絡してみよー、さて私も片付けて帰ろうかな?」
そう言って今日はもう帰ることにする
そんなに遅くならないうちの方がいいよね、杏寿郎にも危機感がないって言われたし!
電車に乗りながら、さっきの杏寿郎の行動を思い返す。
うーん、いつもと様子が違ったけど…
顔が赤かったから熱でもあったのかな?
あ、メールしてみよ…
『今日は差し入れありがと!なんか具合悪そうだったけど、大丈夫?』
これで、よし。
送ったと思ったらすぐにスマホが震える。
「(はやっ、って杏寿郎じゃなかった。しのぶちゃんだ。)」
『練習お疲れ様です。この前クリーニングに出していた煉獄さんの服が仕上がったそうです。明日にでも届けてくれるそうですよ。』
そうだった、そのことをすっかり忘れていた。
でも、無事に仕上がったみたいでよかった!
明日にでも返そうかな?でも、杏寿郎の家わからないし…
あ、電話して聞いてみよう!
最寄り駅に着くと、スマホを取り出し連絡先リストから杏寿郎の名前を探す。
通話ボタンを押すと、プッシュ音のあとにコールが鳴る。
〖プルルル…プルルル……お掛けになった電話は…〗
あれ?出ない。そうか、さっき用があるって言ってたよな。掛けちゃって悪かったかな?
そう思いスマホをしまおうとしたとき、ふと宇随さんなら杏寿郎の家を知っていそうだと考え、電話をしてみることに。
さっきの杏寿郎の様子も心配だし、杏寿郎の家にも行ってみたいな…サプライズで行ったらどんな顔するんだろー?
そんなことを考えながら宇随さんに電話を掛ける
〖プルルル…プルルル……お掛けになった電話は…〗
あれ、宇随さんもダメか…
みんな忙しいんだな。
と思ったらスマホが震えた。
《宇随さん》
着信名を確認してすぐに通話ボタンを押す
「も、もしもし?すみません、折り返し掛けてもらっちゃって…」
『おぅ、いいけどよ。どうした?』
「あ、あのっ、杏寿郎の家を教えて貰えないですか?」
『…ガタンっ!…っ、わ、わりぃ!!』
電話越しに何かが倒れる音が聞こえる
「い、いえ!大丈夫ですか?」
『お、おぅ!大丈夫だ、気にすんな!で、煉獄の家に何の用だ?』